うつ病を患う人が増えてきています。うつ病はストレスが原因で発症する精神的病気で、ストレスを抱える人が多いと言われている現代、老若男女問わず発症する人がたくさんいるのです。うつ病の症状は、慢性的な憂鬱感を感じる、何の行動も起こせない状態が続く、と言った代表的症状の他、幸せを感じないという症状も見られます。例えば、今まで幸せと感じていた出来事、恋人と過ごす時間や趣味、好きなことをしている時間、美味しいご飯を食べている瞬間なども、虚無感に襲われるようになります。幸せを感じなくなると、そのことに対して絶望を感じ、さらなる悪循環に陥ってしまいます。普通に幸せを感じていたころに戻るためには、通院が必要になります。うつ病の治療は、通院し定期的に医師とカウンセリングを行う他、抗うつ剤を使った投薬治療が中心となります。カウンセリングでは、自分が今抱えている症状や、ストレス、悩みなどを相談し心をコントロールすることを目的とします。自分のモヤモヤを人に話すというのは、それだけで少しスッキリするものなので、カウンセリングも重要な治療の一種です。医師に指定された期間は必ず通うようにしましょう。また、抗うつ剤はうつ病専用で使用される特殊な薬です。症状に合わせて、意欲を上げる作用の薬や、精神を落ち着かせる作用の薬などが処方されます。長期間服用を続けることで徐々に症状は改善していきますので、根気強く続けることが大切です。このような治療を行っていけば、必ず前のような通常の幸せを幸せと感じる感覚を取り戻すことが出来ます。
うつ病の治療においての注意点は、なかなか良くならないからといって薬の量を勝手に増やしたり、必要以上に自分を責めたりしないことです。うつ病は一度発症すると、完治に非常に長い時間がかかるのが特徴です。少し良くなってきても、またぶり返したりなど一進一退を繰り返しながら少しずつ治していくのが特徴なので、焦らずゆったりとした気持ちで治療を続けることが大切です。治療の過程で、症状を観察しながら抗うつ剤の量を減らしたりしてくので、医師の指示にはしっかり従いましょう。そのため、家族や周りの人は、うつ病患者にプレッシャーを与えるような言葉を言ってはいけません。早く良くなってね、待っているよ、といった声かけは普通の病気であれば励まされる言葉ですが、うつ病患者にとってはプレッシャーにしかなりません。必要以上に励ましたりせず、昔と変わらない態度で接するというのが一番のポイントです。また、幸せを感じないという状態が続く中でも、何か一つでも嬉しい、と感じる出来事を探すことも大切です。例えば朝起きて頑張って散歩に出かけてみると、日当たりの良い場所での休憩やあたたかい気温に幸せを感じるかもしれません。病気でつらい中でも、出来るだけ日の光を浴びることは治療の一つにもなりますので、出来るだけ積極的に外へ出るという行動はしてみましょう。このように、適切な対応を行えばうつ病は克服することが出来ます。最近何をしても幸せを感じなくなった、何にも興味がわかなくなった、と感じてきたら、早めに心療内科を受診しましょう。